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FXは1000通貨からいくら必要?必要証拠金の計算と「25倍」の本当の意味

FXは1000通貨からいくら必要?必要証拠金の計算と「25倍」の本当の意味

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この記事の目次
  1. 先に答え:取引金額の4%
  2. 1,000通貨だと、いくらになるか
  3. 6,000円だけ入れて始めると、どうなるか
  4. 25倍は「上限」で、実際の倍率は自分で決められる
  5. 少額で始めるなら

「FXは数千円から始められる」という言い方をよく見かけます。計算上はたしかにそうです。ただ、その数千円が何を意味しているのかを知らないまま始めると、思ったより早く強制決済の通知を受け取ることになります。

この記事では、1,000通貨の取引に必要な証拠金を、手で計算できるところまで分解してみます。

読者

1,000通貨なら数千円で始められる、と聞きました。本当ですか?

Trader100

計算上はそのとおりです。ただ、その金額は「必要証拠金ぎりぎり」の数字なので、そのまま入れて始めると強制決済(ロスカット)が近くなります。中身を順番に見ていきます。

この記事の為替レートは、すべて計算のための仮の数字です。実際のレートや、各社の取引単位・証拠金の設定は公式サイトで確認してください。

先に答え:取引金額の4%

個人が店頭FXを行う場合、通貨ペアの種類にかかわらず、取引金額(想定元本)の4%以上の証拠金を預けて、それを維持する必要があります。金融庁の説明では、これをレバレッジに換算すると25倍以下です。

このルールは内閣府令の改正で入ったもので、金融先物取引業協会の解説によると、2010年8月1日からの1年間は上限50倍、2011年8月1日以降は25倍になっています。以来、国内の登録業者で個人が取引するなら、25倍が天井です。

計算式にすると、こうなります。

必要証拠金 = 為替レート × 取引数量 × 4%(取引金額 ÷ 25 と同じ)

金融先物取引業協会のページには、「1万米ドルを1米ドル100円00銭で買う場合、取引の額は100万円、必要証拠金は100万円×4%=4万円」という例が載っています。この例をそのまま縮めていけば、1,000通貨の答えも出ます。

1,000通貨だと、いくらになるか

仮に1ドル=150円だとすると、1,000ドル分の取引金額は15万円です。その4%なので、必要証拠金は6,000円。1ドル=100円なら取引金額10万円で、4,000円になります。

仮のレート(米ドル/円) 取引数量 取引金額 必要証拠金(4%)
100円 1,000通貨 100,000円 4,000円
150円 1,000通貨 150,000円 6,000円
150円 10,000通貨 1,500,000円 60,000円

レートが高いほど、数量が多いほど、必要な証拠金は増えます。1,000通貨は10,000通貨の10分の1なので、証拠金もちょうど10分の1です。

ただし、1,000通貨で取引できるかどうかは会社次第です。1通貨から注文できる会社もあれば、10,000通貨が最小単位の会社もあります。少額で試したいなら、口座を開く前に最小取引単位だけは確認しておいてください。また協会の解説によると、「1取引単位あたり○○円」という定額で証拠金を決めている会社もあります。その場合も、取引金額の4%を下回らないように設定することになっています。

6,000円だけ入れて始めると、どうなるか

では、1ドル=150円のときに、口座へちょうど6,000円を入れて1,000通貨を買ったとします。

米ドル/円が1銭(0.01円)動くと、1,000通貨なら損益は10円動きます。1円動けば1,000円です。6,000円の口座で1円逆に動くと、それだけで資金のちょうど6分の1が消える計算になります。

実際には、資金がゼロになる前にロスカットが執行されるのが一般的です。ロスカットは評価損が一定水準に達したときに業者がポジションを強制的に決済する仕組みで、金融庁もFX業者にロスカットルールを定めることが求められていると説明しています。何%の証拠金維持率でロスカットになるかは会社ごとに違います。

ロスカットの基準によく使われる証拠金維持率も、計算してみると感覚がつかめます。式は「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100」です。

口座に30,000円を入れて、1ドル=150円で1,000通貨を買ったとしましょう。必要証拠金は6,000円なので、維持率は500%です。そこから1円逆に動くと、評価損が1,000円出て有効証拠金は29,000円。レートが変わると必要証拠金も少し動きますが、それを無視して大まかに計算すると、維持率は480%台まで下がります。同じ1円の値動きでも、6,000円しか入れていなければ有効証拠金は5,000円になり、維持率は100%を割り込みます。ロスカットの水準が何%の会社であっても、どちらが先に限界に近づくかは明らかです。

見落としやすいのが、4%の判定が新規注文のときだけではない点です。協会の解説では、各社が営業日ごとに定める「証拠金率判定時刻」にも同じ基準が適用され、不足していれば追加の入金か、ポジションの一部または全部の決済が必要になります。そして金融庁は、相場が急変した場合にはロスカットがあっても証拠金を上回る損失が出ることがある、と注意を促しています。

25倍は「上限」で、実際の倍率は自分で決められる

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

25倍というのは、法令で決まった「ここまでなら持てる」という上限です。実際にどれくらいの倍率で取引しているかは、口座に入れたお金と、持っているポジションの大きさで決まります。これを一般に実効レバレッジと呼びます。

実効レバレッジ = 保有ポジションの取引金額 ÷ 口座の有効証拠金

同じ「1ドル=150円で1,000通貨(取引金額15万円)」でも、口座の資金によって中身はまるで違います。

口座の資金 実効レバレッジ 1円逆行したときの損失 資金に対する割合
6,000円 25倍 1,000円 約16.7%
30,000円 5倍 1,000円 約3.3%
150,000円 1倍 1,000円 約0.7%

損失の金額はどれも1,000円です。違うのは、それが自分の資金のどれくらいにあたるか。「何通貨で取引するか」と同じくらい、「口座にいくら入れて、実効レバレッジを何倍に抑えるか」が大事だというのは、この表を見ると実感できると思います。

少額で始めるなら

特定のやり方をすすめるつもりはありませんが、リスクを小さく保つための考え方はいくつかあります。

一つは、先ほどの表のように、必要証拠金よりかなり多めの資金を入れて実効レバレッジを低く保つこと。もう一つは、注文と同時に逆指値を置いて、損失の上限を先に決めておくことです。ただし急な値動きのときは、指定した価格より不利な価格で約定することがあります。

コストやリスクはほかにもあります。売値と買値の差であるスプレッド、それにスワップポイントは、受け取りから支払いに変わることがある点も金融庁が触れています。証拠金の計算ができるようになったら、次はこのあたりを取引説明書で確認してみてください。

口座開設の流れはFX口座の開き方に、利益が出たときの税金は会社員のFX・暗号資産の税金にまとめています。

出典・参考にした資料

  1. 一般社団法人金融先物取引業協会「個人顧客を相手方とするFX取引に係る証拠金規制」
  2. 金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について」

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